ナツのsorary

小説 おしゃれ 携帯やブログ設定など連載中です!

PRIDE 恋心~二人の行方~【ネット小説】

昨夜行けなかったオシャレなカフェに行き、キャラメルラテを2つ注文した。

注文したキャラメルラテがテーブルに置かれる。

たっぷりの生クリームが甘すぎず、心地よいラテが口いっぱいに広がる。

程よい甘さだなと凛華子は思った。

 

「趣味はなんなん?」大翔が聞いてきた。

「そうやね。料理も好きやけど、音楽とか?」

凛華子は考えながら、言葉を探す。

「音楽なら俺もやわ。中学校の時からストリートしててん。

家の近くの駅でさ。おとんによう叱られてたけどな(笑)」

「そうなん?あたしもよ。ピアノは4歳からで高校からジャズ

弾きたくてやってた。大学はずっとバンドやってて、

大阪の大学結構回ったよ。(笑)ストリートも友達としてたし(笑)」

「どこでやってたん?バンドはなに?」

「ボーカルしてた。」

「そうなん!ボーカルなら俺もしてたわ(笑)。」

凛華子も大翔も驚いた。

こんな共通の趣味や話があるなど思ってなかった。

オリジナルも創っていたことも話したりして、話は盛り上がった。

 

「スポーツはなんかやってた?」

「あたしはバスケやな。あと駅伝とか出てたからよく走ってた。

中距離かな。練習きつかったけどな(笑)」

「俺もバスケしてたわ(笑)。」

「よく似てるね。びっくりする。」

「ほんまな(笑)」

 

共通のものがある人と「共感」することは

なぜかその人を「分かった」ように錯覚させる。

「分かる」ことは「理解する」とは違うように思う。

そして「共感」においても「理解する」には直結しないし

短絡的すぎると思うのだ。

「恋」はそれを気づかせてくれないし、なかなか難しいこともあるものだ。

二人が「恋に落ちた」時、それはどうなってしまうのだろうか。

 

凛華子と大翔はカフェを出た。1時間以上話しただろうか。

カフェはショッピングセンターの近くにあったので

二人でなんとなくお店を見て回った。

今日は大翔の誕生日であることを凛華子は忘れていない。

何がいいのか考えていた。

初めて会った人に高価なプレゼントも遠慮されるだろうし

だからといって、付き合いはじめた二人の関係上

趣味もよく分からないままプレゼントは選べない。

それならおいしいごはんを食べに行くのがいいかな、と考えていた。

 

「このお店、あたし好きなんだ。」

カジュアル過ぎず、可愛すぎず、シンプルに気回せる。

値段も高くない。メンズ商品も取り扱っている。

「あ、このスニーカーずっと欲しかったやつや!」

それは、adidasのスリッポンだった。カラーはブラックとホワイトがある。

紐も付いてなくて、デザインもとてもシンプルで、カジュアルにも

カッコよくも履きこなせそうなスニーカーだった。

「これ、レディースもあるんかな?」

「サイズなんぼ?すみませーん?」

大翔はスタッフを呼ぶ。スタッフに自分のサイズを伝えている。

「凛華子は?なんぼ?サイズ。」

「24か23.5」

スタッフが在庫を確認し、持ってきた。

凛華子はこの状況がよく分からない。

「なあなあ、どっちが似合う?黒と白。」嬉しそうにスニーカーを履き比べる。

よっぽど気に入ったのだろう。

「そうやな、汚れるんは白かも(笑)でも夏とかハーフパンツ履いたりとか

クロップドパンツ履いたりとかあるなら白でもいいかもね。」

凛華子は答えた。

「凛華子も履いてみて。」凛華子も両方履いた。

「どっちが好き?」

「そやね。今白持ってないしな。持ってる服考えたら白かもなー。」

「そか」

大翔はスニーカーを脱ぎ始めた。

「この店来て良かったわ。あるん分かったし。」

「なら、良かった。」凛華子は大翔に笑いかけた。

凛華子は店を出た。けれど、大翔はまだ出てこない。

 

外のソファーで待つけれど、大翔はまだ来ない。(トイレかな)

スマホを取り出す。(迷った?)

 

「お待たせ。」

大翔が笑顔で凛華子のそばへ駆け寄った。手には紙袋2つ。

「あんな、これ、お揃いでこうた。記念日な。」

(え?これ結構値段したよ?)

「誕生日は自分やん(笑)。」

「そうやけどこれ記念日の記念。付き合った記念。だから使って。」

紙袋を差し出す。

恥ずかしそうにしていないところが、逆にこちらが恥ずかしくなる。

 

昨日のキスもそうだった。

凛華子は恥ずかしくてどうしようもないのに

大翔は「キスしたっかった」と言った。

素直なのか正直なのか。

真っすぐな人なのか。

 

凛華子にはこうして真っすぐに気持ちを言葉に表してくれることが

嬉しくて、「幸せ」でしかなかった。

二人でお店を後にし、車に乗った。

どこに行くかなんて決めていなかった。

時間は16時。時間はまだある。

近くのコンビニの駐車場に車を停めて、30分ほど話をした。

 

「ちょっとドライブしようか」と近くの山へ行くが

車から降りて見ることはなかった。

「ゆっくり話したいよね。」二人でそういうけれど車の中にいつまでもいられない。

何をしても二人とも集中できていない。

 

話したい、相手を知りたい、一緒にいたい、ただそれだけだった。

ふと、ホテルが目に入る。

けれど、二人は口にしない。口にしてはいけないし、させてはいけない

と車を走らせる。

 

「どうしたい?」大翔が言う。

凛華子は戸惑う。

今ある幸せが壊れたりしないだろうか。もっと幸せになれるだろうか。

「選択」をしなきゃいけない。

大翔は「選択」している。

この人となら・・・

(今あたしは幸せだよね)

凛華子はハンドルを右に切った。

 

二人は一室へ向かう。

今日の二人の「選択」が大きく人生を変えることとなるのだ。

 

20xx年5月2日

大翔の誕生日。

 

 

 にほんブログ村 恋愛ブログ