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PRIDE 届かない言葉 【ネット小説】

 

【嘘】と【真実】。

【嘘】と【真実】は語られるけれど【事実】は表される。

(何が本当で何が嘘なの?)

大翔も誰も答えてはくれない。

 

20時半を過ぎて、大翔は帰ってきた。

いつものように凛華子を抱きしめる。

「ただいま。」

「おかえり。」

凛華子はそっと目を閉じる。

 

目の前にいる大翔は、【誰と一緒にいる】の?

【誰と一緒にいたい】の?

凛華子は自分に問いかける。

 

大翔に問いかけることはできなかった。

「荷物、片付けといた。」

「ありがと。助かった。」

大翔は来ていたネクタイを緩め、スーツを脱ぐ。

「あ、今日アパートのお金振込んどいたよ。」

(え?そか。)

「ありがと。ごめんね。お金全部大変だったんじゃない?」

「あー、大丈夫。それより、明日休みやし、家具とか見に行かへん?」

「ほんまに?」

つい先ほどまでみた【事実】が一瞬にして忘れ去った。

「うん。行こうや。インテリアは凛華子に任せようか。

センスあるし(笑)一緒に選ぶけどな(笑)。」

「なんそれ(笑)。明日、楽しみやなー。どんな部屋にしよ!

色はブラウンとクリーム色で統一させて、赤を少し取り入れたいな。

アンティークな感じの家具とかあればええなー。」

凛華子は真剣に考えていた。

「凛華子はアンティークが好きでも、アンティークが凛華子を好きかは

知らんけどな(笑)。」

「ひどい言いようやな(笑)。」

「明日、ゆっくりみよ。」

二人でスマホを見ながら、家具や雑貨などを検索して時間を過ごした。

楽しかった。これから二人で過ごす毎日。

幸せになれたらいい、そう願う。

 

次の日、早くから家具を見に二人で出かけた。

まず、スモールウッドへ行く。

このお店は、家具やソファーがオシャレで他店に比べて少し安い。

ただ1点ものなので、次に行った時にはないこともある。

とてもお気に入りのソファーを見つけた。

赤の背もたれが少し長い3人掛けのソファー。

背もたれのホワイトの小さなボタンのデザインとホワイトの縁がカジュアル過ぎず

とてもオシャレだった。

背もたれも高めなので、座りやすかった。

背中全体で持たれることができる。

デザインもゆうことなし!

ベッドもあった。持ち帰れば5000円だった。枠がクリーム色で外国にあるような

ベッドのデザインが素敵だった。

TV台はブラウンのアンティーク調に近いものを選んだ。

 

次はTWO-ONE-STYLLEへ。オフホワイトのテーブルを見つけた。

椅子はカラーはブラウン。テーブルは長さが調節できる。

テーブルも欲しかったものに近かった。

そして、ラグ。これは一目ぼれだった。

インドコットンラグだった。カラーはアースグレー。部屋も温かな雰囲気になりそうだし、ブラウンやオフホワイトにとても似合いそうだった。

大きくもなく程よい大きさだった。

照明はブラウンで統一した。

カーテンは薄いグレーにホワイトでラインで薄くデザインされた

シックなものを選んだ。

食器棚は付いていたので、レンジ台のカウンタータイプを選んだ。

 

精算時、大翔が凛華子に言った。

「凛華子、カード持ってる?」

「持ってるけど。」

「それ使おう。高額だしさ。それに、初期費用は俺払ってるから。」

言われてみればそうだ。

あたしは、お金を使っていない。

「ええよ。4枚あるし、上限が結構あるよ。」

「今選んだやつは良かったから、買ってええと思うねん。どう?」

「そやね。気に入ったし。」

凛華子はカードですべてカードで購入した。

「布団いるやんな。」

(忘れてた。大事やん。)

「そやな。見る?」

「見るだけ行こか?」  

寝具売り場へ向かう。

「高いやつやなくてええよ、寝れたらええ。ただ、枕は選びたいかも。

普通のじゃあかんのよ。」

「そか。」

とりあえず、布団は安いもので済ましたけれど

大翔の枕を選ぶのには時間がかかった。

低反発と固さや固さを確かめていた。

 

「とりあえず、こんなもんかな。今日は。」

大翔は充実した、満足のいく買い物ができたようだ。

「あとは、冷蔵庫とかレンジとか炊飯器、洗濯機とかやね。電気屋さん行かんとな。」

「そやね。」

「ネットでも探しとく,安いのあるかもしれんしな。」

「うん、そやね。」

 

凛華子はカードを使ったことには、特にあまり気にしていなかった、その時は。

これから始まる【未来】だけを見ていたし、信じたかった。

 

【真実】が語られないまま【未来】は始まるのか。

凛華子はその時まだ何も気づいていなかったのだ。

 

【真実】を知らず【未来】だけをを見ていた自分が

どう歩んでいくことになるのかを。

 

大翔も【真実】を語らず【二人の未来】が始まることが

どのようなことが待ち受けているのか知るすべもなかった。

 

【二人の未来】のために今を生きていた。

凛華子にそばにいて欲しかった、ただそれだけだった・・・

 

 

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