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PRIDE 初めての恋~崩れていくココロ 【ネット小説】

こんなに好きになるなんて思ってなかった。

色んな感情があることを知った。決して【美しさで表される感情】

だけではないことを知る。

悲しみ、不安、怒り、苦しみ、醜さ、恐怖。

勿論、幸福や愛情、想いという感情もあるけれど。

なんて【恋愛】にはよくあるもの。

 

【出会い系サイト】から始まった出逢い。

そして、本気の恋。

時間はかからなかった。【早く会いたい】その一心だった。

(それはなぜ?)

大翔との恋はとても衝撃的で情熱的なものだった。

何も見えてはいなかったんだ。

ただただ、少しでも長く大翔と一緒にいたかったし、それを望んでいた。

【恋は盲目】というけれど、大翔との恋はまさにそれだった。

なにも見えてなどいなかった。

仕事も手につかず、両親から反対はされてはいないものの

「ゆっくり考えていきない。」

という言葉など入ってきてなどいなかった。

友達からの「すぐに出会ってからなのに大丈夫?」

という言葉にも真っ向から否定していたし

自信もあった。

翔を好きだったし、愛してしまっていた。

もう引き返せないところまで来てしまっていた。

こんなに人を好きになるなんて、愛することがあるなど

凛華子は人生で最初で最後の【恋をする】。

 

大翔はとても幸せだった。

凛華子との出逢いは【出会いサイト】だったかもしれないし

周りはそう思うかもしれない。

けれど、自分の確かな【好きな気持ち】や【愛情】に

一切のブレなどなかった。

ただ、常に不安を抱え、その不安が消えることはなかった。

凛華子はとても綺麗な人だったから。

自分がまだ離婚していないという現実や

元カノがいたという過去。

そのことで離れて行くんじゃないかという不安はあった。

けれど、それを見せるわけにはいかなっかし

だからといって、余裕があるわけではなかった。

【こんなに好きになるなんて】

大翔の【初めての恋になる】。

 

これだけ強い想いを持つ二人なのに、現実は二人を切り裂く時が来る。

 

凛華子は大翔と買い物に出かけていた。

気付くと大翔の姿がない。

30分近く時間が経っただろうか。

何もなかったかのように大翔が戻ってきた。

「どこに行ってたん?」

「ん?トイレ(笑)」

「そか(笑)」

とてもうまくいっていた二人に、凛華子は何も感じなかった。

何かがあったことなど想像など想像もできなかった。

 

大翔がスマホを手にし

「元カノに電話しとくわ。」と言う。

(え?)

「ほら、裁判のこと。書類出してないんやわ。連絡つかんらしい。

連絡してって弁護士から言われてさ。」

そういえば、離婚調停中だった。

元カノは、弁護士からの連絡を絶っていた。いくら弁護士が連絡しても

かけることはなかったのだ。

「慰謝料のことあるからとか?」

(あたしの前で電話するんやからいいか)

こころがざわつく。

元カノが電話に出る。

初めて聞く声。

顔は1度写メで見た。

歳は27歳の可愛らしい女の子だった。目が印象的だった。

「元気?」元カノが言う。

「あのさ、書類どうなってる?早く手続きしてくれないと困るんやけど。」

大翔が少し苛ついたように話す。

「連絡するよ。それより、彼女は元気?」

「あー。」

「もう付き合い始めたん?」

「あー。付き合ってるってゆうか・・・」

(どういう事?何で言わないの?)

「とりあえず弁護士に連絡して。俺にかかってくるから。

あと、もう俺連絡せえへんから。」

「分かった。」

彼女の声は小さく、元気がない。

初めて聞く声。

リアルさだけが残る。

 

家に帰り、大翔に聞く。

「どういう事?」

「実は、前も相談受けてて。」

(前も?いつから?)

「連絡取ってたってこと?」

「なんかお父さんが倒れたらしくて、住所が変わるとかで。」

(だから何でその相談が必要?)

信用していた気持ちが崩れ去る。

 

大翔の顔を見れなかった。

もう何も分からなかったし、【二人の未来】などないことだけは分かった。

助けて、こころが叫ぶ。

 

【第1章】完

 

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