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PRIDE シンプル 【ネット小説】

大翔との出逢いは衝撃的だった。

【出会い系サイト】から始まった【本気の恋】だった。

恋に落ちるまで時間はかからなかった。

けれど、知らなければいけなっかった【真実】と

知ってしまった【事実】。

何回泪したことだろう。

泪するたびに、泪の【意味】は違った。

【許そうとした泪】【後悔の泪】【哀れな自分への泪】。

かき乱されるいろんな感情。

感じたことのない、いろんな想い。

抱えきれない想い。

大翔だからこそ感じた初めて抱いた

【愛すること】という感情とその【意味】。

 

普通の恋愛ならあまり抱かなかった想いもあったと思う。

奥さんがいて、子どもがいて、彼女がいて。

 

略奪とか不倫とか言われるけれど

そんな言葉じゃなかった。

 

凛華子が見た世界。

それは【プライド】。

それが一番シンプルな言葉なのかもしれない。

 

凛華子と出会い。

それは【運命】だと思った。

絶対にこの人を手放してはいけないと感じたし

そう確信さえしていた。

離婚すること、彼女のこと、子どものこと。

それより凛華子のことだった。

勝手だって思われるかもしれないし

薄情だと思われるだろう。最低だと。

けれど、優しさはあっても相手を好きにはなれないし

相手を大事にもしてあげられない。

想いに応えることもできない。

 

凛華子にどこまで信用してもらえるのか。

本当にそこが不安だし、俺から離れていかないか

いつも頭の片隅にある。

なぜなら、俺の過去の過ちのせいなのかもしれない。

凛華子を疑ってるわけじゃなく

ただただ不安なんだ。

自分のすべてを捨てて

【プライド】もとっぱらって凛華子を選んだのだから。

 

大翔が見た世界。

それは、初めて人を【愛する】世界。

シンプルな世界だった。

 

「調子はあれからどうですか?」

凛華子と大翔は診察室にいた。

「特に何もありません。不安なことも。」

そう答える凛華子を見て、先生は

「本当にそうみたいだね。」

と優しく頷いた。

確かに凛華子は少し変わった。

本人が意識しているのかもしれない。

料理をしていても

「ごめん、また消し忘れてた(笑)」

と言い、前と違ってそんなに落ち込むことは少なくなった。

大翔も少し安心していた。

 

大翔が言ってくれた。あの日、病院の帰りの車の中で。

「一緒にゆっくりやればいい。

分からなくなったら俺に聞けばいい(笑)」

その一言で安心した。

どこかでいつも大翔の顔色を見て生活していた

ところもあったから。怒らせてはいけない、イライラさせて

はいけない、お前が悪い・・。

(あ・・。)

(そうだったんだ。「お前が悪い」は・・)

凛華子は思い出す。

(これはあたし?)

 

凛華子を責めることがあったこと。

怒ってしまうことがあったこと。

何も言わせないようにしてたこと。

(本当に悪いことしてた。)

 

大翔と出逢っていろんなことがあった。

凛華子と出逢っていろんな感情を知った。

 

けれど見た世界はとても【シンプル】だった。

それは、ふたりが惹かれあい、愛し合い

共に生きていくことを覚悟し

いま一緒にいるということ。

 

もうすぐ大きな扉が開く。

 

【誓い】はもう行われる。

 

ようやくこの時が訪れようとしている。

 

 

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