ナツのsorary

小説 おしゃれ 携帯やブログ設定など連載中です!

PRIDE 果たされない約束~違って見える世界~ 【ネット小説】

【自分が変わる】という事。

【相手には求めすぎない】ということ。

それは、容易ではないし、時間が必要。

ふと、たち止まる瞬間がある。少し、休もうって。

二人で生きていくことは、一人の人生としても歩んでいること。

そこが成り立たなければ、二人にはなれない。

 

凛華子はふと何かを考え、そして忘れる。

考えていたことはなんなのか、それは分からない。

分かるのは、その【時間が過ぎていた】ということだけ。

空白の時間があることに気づく。

 

立ち止まる瞬間。その理由。空白の時間。

こうなってしまう何かを凛華子はなんとなく分かっていた。

ただ、決定的なものとして、言葉として、カタチとして

表されることが嫌だったし、怖くもあった。

 

【果たされない約束】。

 

もうすぐ誓いの場の日はやってくる。

式場も日程もほぼ決まった。

それなのに、未だに現実味のない感情。

嬉しさや感動がないわけじゃない。

あまり感じられないだけだ。

また、約束はなくなったりはしないだろうかと。

がっかりさせることはないだろうかと。

 

これまで大翔と式場を見に行ったのは1度だけではなかった。

3箇所は見に行っていた。

どこも見積りは出してもらっていた。1つはドレスも決めていた。

その話はすべてキャンセルとなっていた。

 

凛華子の具合がよくないからということもあった。

それがもう凛華子自身、疲れてしまったのかもしれない。

 

【二人で創るもの】

それがこれまで出来上がっていなかった。

どこかで、お互いのせいにしてきていたし、責めてさえいた。

凛華子に関しては、大翔への信頼はなくなった。

【果たされない約束】は凛華子を

不安と絶望でしかなかった。

 

凛華子は自分自身何かしてきたか、考えた。

結論、【求めすぎていた】ことだった。

だから【変わること】が二人の関係性の修復だとも思った。

 

立ち止まる瞬間はおそらくきっとそこにある。

何もしてこなかったとへの自責。

また、約束が果たされないんじゃないかという不安。

大翔にもう期待していないんじゃないかという気持ち。

 

求めている【期待】ではない。

約束が果たされなかったことへの絶望から救って欲しい。

(そんな期待を持ってはいけないかな・・・)

凛華子は思う。

(がっかりさせんで)

 

式を挙げることを再び決めた時にお互い想った。

【幸せに何かりたい。幸せにしたい】

 

けれど、凛華子自身、変わろうとすることに気づいた。

少しずつでも変わった。そして見えてきたこと。

相手を思いやるからこそ、その立場から見えることもあること。

違って見える世界。

 

(どこで間違ったんやろう。)

多分、ここで立ち止まる。

ここで、今、【誓い】などできない。

(大翔はなにひとつ悪くないのにな)

 

凛華子は思うのだった。

 

 

 にほんブログ村 恋愛ブログ