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PRIDE 大切な人の願いが叶う事 【ネット小説】

「離婚、決まったよ!」

(え?)

「本当に?」

凛華子は聞き返した。

もう半年以上が過ぎようとしていて

もうすぐ冬が訪れる。

 

ストールを羽織り、冬の訪れを待つのか。

そう思っていた。

 

「決まったら、籍入れよう!」

「本当に?」

信じられなかった。

一緒にいられればそれでいいと思っていたし

それ以上を望んではいけないとも思っていた。

 

【結婚】。

ためらいがない、と言えば嘘になる。

過去を気にしている訳ではないけれど

気になるのは

本当に自分といて大翔は幸せになるのか、という不安。

決して全ての人から祝福された結婚にはならないこと。

非難もあること。

ミナトくんのこと。

彼女たちの想い。

複雑だった。

「凛華子は幸せになりたくないの?」と聞かれれば

勿論なりたいし、それを望む。

私はこの人を幸せにできるだろうか?

そう思うのだった。

 

やっと幸せになれる。

そうも思う。

この時をどれだけ待ったことだろう。

その反面、幸せになっていいのだろうか、とも思う。

 

【迷い】はない。

大翔と生きていくこと。

【結婚】という【カタチ】であっていいのだろうか?

凛華子はそう思うのだった。

けれど、大翔との【カタチ】は欲しい。

(欲張りだな。結局、自分のことばかり)

そう思う。

 

それが求めていた愛の【カタチ】なのか。

愛は色々な【カタチ】があっていいと思うけれど

やはり確かなものが欲しいものなんだと

凛華子は実感する。

 

ようやく凛華子と【結婚】できる。

待たせてしまった。

よく待ってくれた。

俺を責めることもなかったし

焦らせることも1度もなかった。

だからこそ、応えたかった。

俺自身、そうしたかった。

離れて行く前に。離れてしまわないように。

 

10月末日、離婚が確定した。終わった。

ようやく本当に凛華子と向き合える。

全部を凛華子に注ぐことができる。全力で。

最短で入籍できるように検索する。

(男性の場合、離婚後すぐに婚姻関係を結べる)

 

「いつにしようか、入籍日?」

大翔は凛華子に聞いた。

「そうやな。日にち大事やね(笑)。」

「記念日、また増えるな(笑)。」

「11月22日は?いい夫婦(笑)。多いみたいよ(笑)。」

「そこまで待てない。」

「確かに、早くしたいね。」

「じゃ、11月10日は?」

「意味は?」「特にない(笑)。」

 

「俺らでいいんですか?保証人」

「おお。頼むわ。」

大翔が職場の後輩夫婦に頼んだようだった。

「初めて書くから緊張しますね。お前、間違えんなよ。」

奥さんに言っている。

「大丈夫(笑)。」

「俺らが書いた時、思い出しますよ。」

「これから、夫婦ともどもよろしくな(笑)。」

「こちらこそ(笑)。」

そんな温かい、和やかな時間の中で、婚姻届けは完成した。

 

大翔と凛華子は市役所へ向かった。

婚姻届けを提出するために。

手続きはあっという間だった。あっさりしたものだった。

あれだけ緊張していたものの、事務的に行われた。

初めて感動したのは、住民票を見た時だった。

【夫】。【妻】。

(やっと願いが叶った)

凛華子は心からそう思った。

幸せになりたい。

 

(やっと願いを叶えられた)

大翔はこころからそう思った。

幸せにしたい。

 

【夫婦】になること。

【二人で生きてく覚悟】。

願いが叶っただけでは、夫婦はなかなかうまくはいかないものだ・・・

 

その意味を知っていくのは、もう少しあとのこと。

 

 

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