ナツのsorary

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【I know...】 バレンタイン 【ミステリー小説】

「・・・おはよ」

「うん・・・」

やっぱり昨日の事を引きずっているようだった・・・

「あたし、少しでかけてくるね・・・」

「わかったよ。」

不安もあったけど、正直、嬉しかったのもあった。

正直1人になりたかった。日曜日の休みの日にゆっくり

1人で過ごす事もなかったし、この息苦しい家に2人でいるのが

つらかったってのもあった。

「ゆっくりして、おいで」少しでも1人でいたかった・・・

ナツノが出ていくのを見送り、テレビを見ていると

インターホンが鳴り、また1人の時間を邪魔された。

ドアを開けると、最近同じみの、あの【オンナ】が立っていた。

「はい・・・」もう、ほっといてほしかった。

「昨日のあたしのプレゼント受け取ってくれた?♪」

何の事かわかるまでに、10秒程かかった。

 

「アンタか!俺のポケットにリップクリームいれたのわ!」

怒りと疑問が同時にやってきた。

「あたしの事思い出してくれた?」

「はぁ?なんであれでアンタを思い出すんだよ。わけがわからん」

「そっか、まだ、思い出せないか・・・」

「でも、あたしの事思い出さなくても、他の人の事なら思い出したよね?」

言葉に詰まった。それは当たっていたからだ・・・

「だから?結局アンタなにがしたいんだよ?」

 

「じゃあ、次はコレあげるねっ!」

封筒を渡された。

「じゃあ、あたしはこれで帰るから。あたしは今から出かけるから

その中身の事を聞きに来ても家にはいないからね。」

「はぁ?」

「じゃあね!また。」

いつもと同じ。この【オンナ】は1から10までさっぱりわからん。

 

部屋に戻り、封筒をあけてみた。

 

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

そこに映っていたのは、ナツノだった。

楽しそうに映っているその写真には、ナツノと知らない男性が映っていた。

慌てて、玄関をあけて外を見たが、【オンナ】はいなかった。

 

ナツノに慌てて電話をかけるが出ない・・・。

 

もう本当に頭がおかしくなりそうだった。

何度も何度も何度も何度も電話をかけるが、電話にはでない。

何分経っただろうか、何時間経っただろうか。

 

「ただいま。」

「今日、誰と会ってた。」

「何?急に?ノリコだけど。」

「嘘つけ、男と会ってただろ!」

「なに?なに?なんで怒ってるの?本当にノリコだけど。聞けば?」

「じゃあ、何で電話でなかったんだよ、何回かけたとおもってんだよ!」

「映画を見に行ってたから、電源切ってただけだよ。なんなの?」

「お前、浮気してんのか?相手は誰だ!」

「はぁ?してないけど、ほんとなんなのさっきから?」

 

「じゃあ、これなんだよ!誰だよ!」

 

ナツノは写真を見て、何とも言えないような驚いた顔をしていた。

 

「なにこれ?誰これ?こんな男の人知らないけど?」

この写真を見て、この事実を見て、この発言。

本当に手が出そうになった。

「これお前だよな?」

「そうだね。でも隣の人は知らない」

こんな言い分通じるだろうか?誰がその言葉で信用できる。

「てか、この写真どうしたの?なんでこんなの持ってるの?」

「別に・・・。」引っ越しをしてきて間もない女性にもらったなんて

絶対に言えなかった。言えばこちらが不利になりそうな気がした。

 

「別にじゃないよね?これなに?自分で作ったの?」

そんな発想はなかった・・・。

「あたしと別れたくて、これ作って別れを切り出そうとしたワケ?」

「いや、だからお前がこの男と浮気してるんだろ!」

 

「もういいや、あたし出ていくわ。こんな事までして別れたいんだったら

普通に言えばいいのにね。ほんと最低だわ」

「あたし、本当バカみたい。」

 

「え、いや・・・」

騙されちゃいけない、浮気をしてる事を隠す事に俺を攻めてるだけだ。

でも、どこかでこの、いつも見ている表情が本当に浮気などしていないと

いう事を物語っている気がした。

「さよなら」そう言いながら何かを投げて出て行ってしまった。

投げられたその物には、いつもの可愛らしい字で

 

【昨日はごめんね。心配になっちゃった。いつまでも大好きだよ!

これで仲直りね!ハッピーバレンタイン】

 

そう書かれていた・・・。

 

 

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