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PRIDE【幸せ】の意味を知る 【ネット小説】

【結婚】。

それは、幸せなものだと思っていた。

 

それは、よく見る風景。

ママがいて、パパがいて。

小さな子どもがいて。

そんな【幸せ】。

 

【幸せ】って何だろう、と考える。

これにも【カタチ】はない。

誰もが【幸せ】を考えた時、

浮かんでくるのは【笑顔】なんだと思う。

だから【カタチ】はあるんだな、

と気づかされる。

 

「もう、好きにしたらええ。」

(もう何度この言葉を聞いた?)

「そしたら一緒におらんかったらええやん。」

(もう何度この言葉を吐いた?)

 

結婚して2年。

凛華子は灰皿を手にしていた。

大翔に襲い掛かる。

(もう本当に殺してしまいたい。)

力では叶わないのは分かっていた。

それなのに、身体は動く。

殺したい【衝動】に。

 

「え?結婚したん?聞いてないし(笑)。」

綾の久しぶりの声。

笑い声がなんだか心地よい。

「てか、相談も受けてないし(笑)。事後報告やん(笑)。」

笑う声は、あたしが話すまで待つサインだ。

「いつ、会えそう?」

「凛華子のいい時でいいよ。だって新婚じゃん(笑)。」

からかってる。好奇心の声ではなく、親友の声。

「今週、土曜日は?」

「オケ。そっち行くよ。」

結婚して、新しく新居を構えた。

綾に住所を伝え、スマホを切った。

(久しぶりやな。会うの。)

綾の顔が浮かぶ。

 

「好きなら良かったんじゃん?」

綾は言う。

「確かに、色々思ったり、言う人っているかもしれないけど。

けど、お互い好きな気持ちは止められないし、変えられないからね。」

綾は言う。

「逆にさ、言えば言うほど、結びつきって強まるんじゃない?

こんなことじゃ壊れないってさ。」

綾はあたしから目を逸らさない。

「その分、【覚悟】はあっただろうし、周りはそれを分からないもんだよ。」

綾は持ってきたモンブランケーキを口に入れた。

「凛華子も食べたら?好きだから買ってきたのに(笑)。」

綾はいたずらっぽく笑う。

「でもさ、ほんとよく決心したね。凛華子、強くなったわ(笑)。」

また、モンブランケーキを放り込む。

「そりゃ、あたしにも相談しないわけだ。だってさ、向き合うの自分だった

わけじゃん?」

モンブランケーキが半分になってしまった。

「誰かに話せば楽だろうし、色々言われるだろうけどさ。

肝心のあたしに言わなかったのって相当頑張ったね。

また、山越えた(笑)。」

「山か(笑)。」

「いくつ超えるんよって話(笑)。」

凛華子はカフェオレを入れた。

「ありがと。」

綾はカフェオレを飲む。

「これからじゃん?【幸せ】になっていいよ。」

綾は遠くを見つめる。本当にそう思ってくれてる。

「うん。」

そう答えた。それだけ。

 

あとは、綾の彼氏の話や綾の職場の話を聞いた。

「そだ。あたしも結婚するんだ。やっと凛華子の夢叶うよ!」

「え?」

「ほら、話してたじゃん。ドレスとかブーケとか考えてって(笑)。」

「話した!」

「あれ、お願いね。」

「考えとく!」

ドレスの冊子を持ってきてたから、一緒に見たんだ。

「また、来週来るかも(笑)。」

「どうぞ(笑)。」

綾は帰っていった。

 

「ただいま。」

大翔が帰ってきた。

「おかえり。今日綾来たよ。」

「会いたかった(笑)。」

(会えないよ。会わせられない。)

凛華子は思う。

 

綾の話を思い出す。

(幸せになっていいよ)

なれないよ。

幸せなんかじゃない。

 

【夫婦】の【カタチ】を望んでいた。

手にした。

何が不満なの?

不満はない。

怖い。

何が?

分からない。

崩れていく自分を分からないようにする。

 

誰かが言ってたっけ。

「お前が悪いって。」

誰が言ってた?

 

その時はまだ思い出せなかった。

 


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