【I know...】 速水裕二 【ミステリー小説】
「おい、どうなってんだ!」
「はーい、おしまーい♪」
「おしまいじゃねーんだよ!助けてってなんだよ!」
「さぁ?何かされてんじゃない?あはっ♪」
「おまえ、どこにいんだよ!いい加減にしろよ!」
「速水 裕二」
「は?なんだよ、速水裕二って誰だよ?」
「xx市xx-xx-xxに住んでるよ。」
「はぁ?だから、なんだよ。」
「殺してきて」
「はぁ?意味わかんねーんだよ。なんだよそれ、誰だよそれ」
「調べれば、わかるからお願いしまーす♪」
「あっ、ちなみに今起きてる事、警察とかに話すとー・・・♪」
受話器の向こうからまた、悲鳴が聞こえてくる。
「いやあああああああああ、痛い痛い痛い痛い」
もう、俺の知ってるナツノの声じゃなかった。
「わかったわかった。何もしないから言わないから
頼むから、ナツノに酷い事しないでくれ、頼む」
「じゃあ、速水裕二調べてね♪で、殺してきてね♪」
「いや、殺すなんて事はできない。」
「・・・調べたら殺したくなるから大丈夫だよ。」
「じゃあ、また明日夜の20時に電話をかけるから電話にでる事。
もしも電話に出なければナツノの指を電話でない毎に1本折るわ」
「わかった。わかったから、何もしないでくれ」
「明日までに速水裕二について調べてその報告をしてね♪」
「わかった。」
「じゃ、また明日ね♪」
電話が切れた・・・。
俺は今の出来事を整理する事もなく【速水裕二】について調べた。
調べるといっても、もうインターネットで調べるしかなかった。
PCの電源を入れてる間に、水を飲みたかった。
今の出来事のせいか、大量の汗をかいていた。
【速水裕二】調べるとすぐでてきた。殺人犯だった。
自分の家族と隣に住む男性を殺し、捕まった。
ただ、【心神疾患】と判断され【無罪】になった男だった。
ただ、コイツは計画的で心神疾患を計画的に行い
今はのうのうと生活しているという事がわかった。
そして、そいつの顔写真が映し出された時、見た事があった。
・・・どこでた。・・・どこだ。
思い出した。3年前に付き合っていた女性がストーカー被害を
あっていた。その時に捕まった男がこの【速水裕二】だった。
その時も精神的異常が見られた為、好意的ではなく【観察】
していただけと、いう結果になり。ただ、その時の恐怖もあり
彼女は引っ越しをした。
速水裕二は相も変わらず同じ事を繰り返し、殺人を犯しストーカー
までもおこなっていたのだった。
「コイツ・・・」
殺意までは沸かなかったが、怒りはこみあげてきた。
ただ、なぜあの【オンナ】は【速水裕二】を知っているのか
あの【オンナ】も【速水裕二】から被害を受けたのだろうか。
もう夜中の12時をまわっていた。あと20時間しかなかった。
でも、疲れ切っていた。
こんな時でも、眠気がやってくる・・・
俺が眠る前に考えていた事は、直接【速水裕二】に会いにいくか
探偵などを雇って、【速水裕二】について調べてもらうか。
ただ、探偵を仮に雇ったとしてもすぐ答えが出てくるのだろうか。
ナツノの悲鳴と助けてという声が耳から離れない。
そして、ナツノに危害を加えているのがあの【オンナ】以外にも
いるという事。こいつは誰なのか。
何1つわからないが、あの【オンナ】が俺の過去や
ナツノと接触し、何か企ててるという事。
考えているうちに俺は、気付かず眠っていた。