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PRIDE 誓い 【ネット小説】

大聖堂となっていて、天井が高く、厳粛で

美しく輝くステンドグラスが広がる

とても素敵な教会だった。

まさに【誓いの場】にふさわしい。

凛華子はうっとりした。

「当日はパイプオルガンのみとなります。」

係の人が教えてくれた。

「その音と誓いの言葉、お二人の声だけです。」

凛華子はイメージする。

(なんて素敵なんだろう)

「バージンロードは新郎様までどなたか一緒に歩かれますか?」

「はい、彼女のお父さんが。」

大翔が答えている。

このことは、まだ両親には話していなかった。

「新婦様は、あの扉が開いてすぐに、お母様にベールを

かけていただきます。」

「穢れから身を守る、という意味を持ちます。」

「そしてお父さんとこれまでの人生を歩むという意味で

一歩一歩前へ進みます。」

「お父様から新郎様へ変わる時、後の人生を歩む一歩一歩を

お二人で前へ進んで行きます。」

二人でバージンロードを眺めた。

随分長い時間眺めていた気がした。

 

「こちらへどうぞ。」

係の人に扉の前に案内された。

一気に扉が開く。

一面にステンドグラスが広がり、誓いの場が見える。

「ええな。」

大翔が呟く。

「うん。」

「絶対しよな、結婚式。」

「うん。」

大翔の手を強く握りしめたんだ。強く、強く。

(忘れないよ、今日のこと)

 

桜の季節も終わり、また大翔と撮った

桜の写真が一枚増えた。

(夫婦らしくなったな)

凛華子は写真に触れて思う。

 

「俺はさ、結婚してても恋愛してる気持ちは

忘れたくないんよ。」

大翔がそう言う気持ちがよく分かる。

「夫婦になって、もっと大事やって分かるしな(笑)。

好きやなとか(笑)。」

本当にそうだ。付き合ってる時よりそう感じる。

 

【カタチ】にこだわっていた凛華子も

【夫婦】でいることで

【二人で生きていく】ことで

大翔の大切さをたくさん感じるようになった。

好きだな、愛してるな、と前より強く強く想う。

 

いろんな【カタチ】があっていいと思った。

いろんな【選択】があっていいとも思う。

けれど大翔の代わりは誰もいない。

大翔は一人しかいない。

大翔じゃないとダメなのだ。

 

パズルのピースみたいに

どれかが欠けててもダメになっていた。

少なくとも大翔と生きていくことを

【覚悟】したことは間違ってはいなかった。

凛華子はそう思う。

(出逢えて良かった。)

そして思うのだ。

(今、一緒にいてくれてありがとう)

 

式場を見に行って良かった、大翔は心からそう思う。

凛華子との【誓い】。

もう誰とも出逢えないと思ってた。

もう誰も愛することはないと思っていた。

上っ面の愛情もいらないとも思った。

けれど、凛華子は違った。

凛華子に笑っていて欲しい。

俺もこんなに笑えてなかったかもしれない。

誰かのために生きることもしなかっただろう。

 

出逢いは本当に不思議なものだ。

出逢った場所や時間は関係ないのかもしれない。

相手をどれだけ受け入れ、許すことができるのか。

それを越えた愛情があるか、ということなのだろうか。

離れても、また引き寄せられる何か。

惹かれあう何か。偶然と必然。

 

この人が必要で、大切で、失いたくない人で。

それがお互い想い合えた時、わたしたちは

このことを愛おしく思わなければならないと思う。

 

【夫婦】になったことで見えてくること。

二人だからこそ理解できることや分かろうとすること。

大翔と凛華子は【選択】を【二人】でしていくことを

【決断】するのだった。

 

これから二人で歩む道。

二人で辿る道。

 

【誓い】はもうすぐ。

 


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